短編集‥*.°
――終わっ、た…っ…よ、ね…?
…男はジッと、上から、私の身体を見てる…ワンピースが裂けた裸体…。
…全てが終わったように思える…。
…レイ…助けてほしかったのに…。
その男の顔を見ようとしても…暗くて、見えない…。
…雨の音は…降り続く…。
残酷な…音色…今頃はきっと…家で…眠っていたはずだったのに…!
…不意にビシャッと音がした。
バッと窓から黄色い光が入ってくる。
ゆっくりと男の顔を見た。
そいつは…。
「…え…?…レ、イ…だったの…!?」
彼氏の、レイ…?
血走った瞳、怖い薄ら笑いを浮かべる顔はいつも見たいに優しげじゃない。
それでも。
黒い髪と整った顔はレイそのもの。
グッタリとした私を見下ろして、ニヤついている。
…怖い…レイなの…!?
その男が口を開くいつもと同じ少し低い声それでも口調の一つ一つに狂気が混じりいつものレイのようには思えない。
「…好きだ、ナノ」
口は次々に狂った言葉を…恍惚な笑みで意気揚々と…。
紡ぎ出していく――。