短編集‥*.°

あぁ、放課後がとても待ち遠しい。

チラッと秋也の方を見ると…。

瀬川 瑠美が、まだ私の秋也と笑って話していた。

…離れろよ…。

私のモノなのに。

殺したい、殺したい、コロシタイ__。

睨んでいると、フッと秋也がこっちを向いた。目が合う。

…ニッコリと笑うと、彼もニッコリと__とても美しい笑いを返してくれた。

やっぱり秋也も、私に惹かれているんだ。

当たり前か、私と彼は運命の赤い糸で結ばれているんだから、ね…?

早く放課後になればなぁ…。




やっと放課後になった。

本当に嫌になる。

遅いったら。

今日は部活のテニスがあったけど、秋也とテニスどっちが大事かって言われたら、もちろん秋也だ。

屋上に続く階段を駆け上がる、そしてドクドクと激しく脈を打つ心臓を抑える。

…さぁ、行こう。

ガチャリと屋上を開ける。

そこにあったのは、風に吹かれた__一枚のゴミ袋だけだった。

「春谷くんー!春谷くんー!どこ!?」

叫んでも居ないみたい。

どうしたんだろう、遅れたのかな?

まさか事故にあって…?

嫌な予感は膨らんで行く。

まさか事故にあって、骨が砕けて血飛沫が跳ねて…。

そうだったら、私も秋也の後を追いかけて死のう。

絶対に秋也をひとりぼっちにはさせないからね…。

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