願い事叶えます
その者は魔女である


羽田加代子は泣いていた


彼女は普通の女子高生


そんな普通の女子高生が学校に行く前に泣いている理由と言えば限られている


例えば体調が悪い

例えば…いじめ


彼女の場合後者だ


しかし加代子の母親は厳しいため断じて学校のズル休みは許されない


加代子は嫌々ながらも家を出て学校に向かおうとしたがやはり嫌なものは嫌だ


「…どうしてあたしが…っ!」


何故自分がいじめられなければいけないのか

そんな風に加代子は嘆いていた


辛いし屈辱的だし


学校に行っても良いことなんか何もない


そんなことを思っていると泣けてきた


なんて情けない…


涙を拭っているとふとある壁の落書きが目についた


近所の不良共が大きな落書きをしているなかで一際ちいさな落書きが目についた


それはただの星


しかしその星の近くに書いてある文字に加代子は目を奪われた



『願い事を三回唱えてね』


「願い事…?何それ…この星が流れ星とでもいうの?」


馬鹿にしながらも加代子はその落書きに近づいていった


そしてその星に触れながら加代子は心の中で願い事を唱えた





自分をいじめたやつを見返したい


自分をいじめたやつを見返したい


自分をいじめたやつを見返したい…!










「あなたの願い事受けとりました」





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