彼とほんとの私
父は、ゆっくり話しはじめた。


「この間も言ったが、愛実は父さんと母さんの実の子ではない。愛実と私たちは血がつながっていないんだ」


「なんで、なんでなの?なんで今まで黙っていたの?」


「それは、愛実が結婚する時に伝えようと思っていたからだ。それは、愛実が私たちの子になった時、愛実の実のご両親と約束したことだ」


「私は、今までお父さん、お母さんを信じて疑ったこと一度もなかった。なのに隠していたことがあるって分かって、2人の言うことが信じられなくなってる。周りの人たちの言うことだって信じられないわ!」


やりきれない思いにかられて、父から目をそらす。


「私と母さん、愛美の実のご両親と4人で、このことは、愛実を安心して任せられる人ができた時にえるのが一番いいと話し合い、決めたんだ。愛実を傷つけることになって悪いと思っている。しかし、愛実に隠していたことは、これ以外にひとつもない。それは、信じてくれていい。周りの人はこのことを知らないんだよ。私たち4人と愛実が産まれた病院のごく一部の人しか知らないことだからね」


「…どういうこと?」


父の言おうとしていることが分からない。


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