彼とほんとの私
家に着くと、両親が揃ってダイニングのテーブルのところに並んで座っていた。


退院の日時を伝えるため、母とは昨日電話で話したが、まさか父も居るとは思わなかった。


『お父さん、会社休んだんだ』


話は夜になると思っていたから、まだ心の準備ができていない。


「ただいま」


これから、伝えられることを考えると、すこし怖くなる。


「お帰り、愛実。退院してすぐにで悪いが、愛実がいろいろ悩まないように、今伝えておきたい。いいか?」


父の言葉に、私は黙って頷く。


父も母も緊張している。その緊張が私にも伝わってくる。

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