彼とほんとの私
気が付くと、知らない部屋のベッドの上で寝ていた。部屋は薄暗い。起き上がろうとすると、頭が痛んだ。


「まだ、寝ていないとだめだ」


側で声がする。


声のする方へ目をやると、智史の姿があった。


「あなたの部屋なの?」


頭を押さえながら聞く。


「いや、ここは智史の部屋だ。俺は隣に住んでいる」


男が言う。


「気が付いた?」


部屋の入り口から声がする。その男は、手にミネラルウォーターとグラスを持っている。


「えっ、智史が2人!?」


「ふっ、はははっ…」


2人が同時に笑い出す。


「愛実、俺が智史だよ。隣にいるのは兄貴の篤史(アツシ)。愛実が倒れたから、兄貴に看てもらってたんだ。驚いた?」


ミネラルウォーターを置きながら、智史が言う。

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