【完】ときめき☆アドベンチャーゲーム ~悪魔と天使~


「私、正直言ってこのゲームに参加したくないんだけど…」


「あ゛ぁ゛?テメェーに拒否権なんかねぇーんだよ」



「はぁぁぁぁぁぁ?!何でよ?」




イラついた私の前にパタパタと羽を動かしながらやってきたセリュは、申し訳なさそうにペコリッと頭を下げ眉根を下げる。





「本当にすみません。…ゲームに参加したくないと言うチカさんの気持ちを汲み取りたいのは山々なのですが、これはもう決まってしまった事なので止める事が出来ないのです」


「えっ?」



「毎年、年の終わりに魔界と天界ではこのようにゲームを行い、賭けに勝った方が次の年にこの世界で権力を握るという事が、昔から決まっているのですよ」


「賭け?」



「えぇ。毎年一人人間界から選出し、その方がゲームの選択肢によって最終的にどのような人生を送る事になるかを、私達天界の代表と魔界の代表が賭けます。因みに前回は天界が勝ちました。魔族にこの世界の実権を握らせては、何をされるか分かりませんものね」



そう言いながらニコリと微笑むセリュに対し、レイはキッと睨みつけた。


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