エタニティ
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陽希の宣言通り、私は夜更けまで彼に食べ尽された。

彼は今、私の隣りでお腹一杯のワンコ宜しく、眠りについている。


陽希の見せた、苛立ちにも似た表情の意味を考える。

遠い昔の、それも成就しなかった相手に嫉妬なんてする?

私の中で沢山の疑問が渦を巻く。


「……眠れないの?」 

寝ていると思っていた陽希の目が開いていて、こちらを見ている。

「寝かせてくれなかったくせに」

「ご馳走様。でも、幾らでも食べれるんだよね」

今の陽希はいつもの彼で、無邪気そうな笑みを浮かべている。

言ってることは決して無邪気じゃないけどね。


「……うちのクソ社長が楽しそうに言ってた。美知佳さんが初恋の彼に会うからってウキウキしてるって」

「ウキウキって」

大学時代の先輩で、陽希のモデル事務所の社長でもあるちぃさんにランチへ誘われた時、同窓会の話はしたけれど。

……ちぃさん、絶対わざとだ。

ハルのこと、しこたまからかって楽しんだに違いない。

「ウキウキするだけなら、まだ良いけどさ。夕べの美知佳さんのテンション、絶対おかしかったからムカッ腹がたったの」

「私……そうだったかな」

「酒だけの所為じゃないでしょ? あんなに抱いてオーラ出してたの」

自分の顔に血液が集中していくのが分かる。
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