エタニティ
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「ハルは、こういうの出たことある?」

ソファに寄りかかったままの陽希は、手にした葉書きを見詰めて、困ったように笑った。

「俺のことなんて覚えてないんじゃない? 俺、あんまり学校に顔出して無かったし。今の俺の顔は知ってるだろうけどさ」

陽希は、ドラマやCM等にちょくちょく顔を出すような、人気の男性モデルだ。

「そうかなぁ。同級生にハルみたいな子がいたら絶対に忘れないし、皆も今でも自慢してると思うわよ。『藤城陽希(ふじしろ はるき)とクラス一緒でした』って」

「それじゃ見世物パンダでしょ」

陽希は葉書きを指でピンッと弾いて、テーブルに戻した。

「高校時代なんて、思い出すことも無いや」

「ハルは仕事してたんだものね。私は……バスケばっか。ずっとのめり込んでたし」

「……恋もしたし?」

陽希は、隣りに座っている私の頬を一撫でした後、チュッとキスを落としてきた。

「恋か。そうねぇ」

「だって、ファーストキスは高3だって言ってたじゃない。わ、もしかして、恋とキスは別とか言うの? 美知佳さん、いやーらし」

「な、そんなこと言わないわよ。それじゃ昔の陽希になっちゃうでしょ」

私の言葉を聞いて、何で俺を引き合いに出すのかな、なんて急にふて腐れた顔をする陽希。

「……昔のことは、今更否定出来ないけど。でも今は、美知佳さんしか見えてないって、ちゃんと分かってる?」

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