素顔のキスは残業後に
祈るような気持ちで絡み合う指先に力を込めたのは、

きっと、私だけじゃない。


胸をざわつかせる不安を振りきるように、総務部へ戻る足を速めた。






少し席を離れただけなのに

探るような視線を向けて来るのは、振り返らなくてもわかる。


部長だ。

相変わらず悪い意味で目を掛けられてる。


別に問題ない。

無視。無視。考えない。考えない。


このところ『B-Lover』の仕事に追われて総務の仕事が溜っていた。

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