素顔のキスは残業後に
誰も間に入ることを許さない緊張感。

至近距離で瞳をぶつけ合うふたり。


重苦しい空気だけが流れていって

静寂を打ち破る穏やかな声が、柏原さんの唇から零れた。



「ありますよ、特別な感情。問題ありますか?」


「はっ…あぁ!?」


きっぱり言いきった彼の言葉に、部長は声を詰まらせる。


まさかそんな開き直った言葉を返されるなんて思わなかったんだろう。

(それは、そうだ。私だって、そうだ。この場にいるすべての人が、確実に…そうだ)

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