素顔のキスは残業後に
ものすごく意地悪なそれに、ものすごーく嫌な予感が胸を過る。

不敵な笑みを浮かべた彼は楽しげにこう言った。


「総務部に社内誌の原稿を届けに行った時、部長から後輩女子を庇ってる桜井を見かけた。

部長相手にあんな正面からぶつかるとか、もっと上手いやり方あるだろー。アホ確定だな、アイツって思った」


「アホって……」


まぁ、確かに。そうですけど?

そこは少しだけでも否定してほしいっていうか。


いつもの調子で意地悪を挟みながら、

なんてことないようにサラリと言ってのける柏原さんを少し恨みがましい瞳で見つめ返す。
< 390 / 452 >

この作品をシェア

pagetop