素顔のキスは残業後に
ちょっと、しちゃったけど。

なんて言葉は絶対に言えないけど…

そろそろ聞いてしまってもいいのかな?


チラリと柏原さんの横顔を覗き見る。


そんな私の瞳は言葉よりも饒舌に語っていたのか

柏原さんはわざとらしいため息を吐き出した後、ようやくタキシードの謎を教えてくれた。


「タキシードはこのホテルでやってたブライダルフェアのモデル。このホテルの支配人と知り合いなんだよ。

前に一度渋々やってやったら契約件数がアホみたいに上がったらしくて、また頼まれた。報酬も好条件だったし。

そうでなきゃぁ、誰かがこんな仮装…好きこのんでやるかっ」


眉間に皺を刻んだ不機嫌な顔で吐き捨てる。
< 406 / 452 >

この作品をシェア

pagetop