素顔のキスは残業後に
「俺に確かめもしないで間違った噂に振り回されるし、部長に正面からぶつかってアホみたいなとこあるけど」


そこで言葉を止めた柏原さんの体が

ゆっくりと私に覆い被さる。


彼の前髪が頬に触れてくすぐったさに瞬きをすると、私を見下ろす瞳が柔らかく細まって、




「でも、それでも俺は――……友花がいい」


また幸せの熱で胸を温める言葉が落ちてきた。
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