素顔のキスは残業後に




「この耳は、なんの為にある?」


耳朶に触れる彼の唇がそっと囁く。


「えっ」


甘い痺れに体を震わせながら問い返すと、優しい手つきで頬を包み込まれて、


「前に言ったろ。難しく考えんなって」


唇を軽く触れ合わせる。引き離されたその瞬間。


「これからだって何かあるかもしれない。だから――…

友花は俺の声だけ聞いてろ」
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