偽りの君が嫌い
タイトル未編集
ある時刻のある悲痛な話
SIDE 偽りのもと
目の前が急にカラフルに染まる
水色やピンク、紫やオレンジ。
挙げだしたらキリがない。
これは、
さっきまで、喜んで
「パパ、こんなのもらったよ」
なんて
「ママ、お人形さんがこんなのくれたぁ」
なんて、さっきまで、
本当にさっきまで笑顔で「パパ、ママ」と言って、嬉しそうにしていた子供が持っていた風船の数々だ。
しかし、急に、子供たちの顔がひどく怯えた表情になり、狂ったように白目をむいて倒れる。
そんな子を見て、皮肉なことに母親や父親は、子を捨て我が身だけを考え、逃げ始める。
でも、ある女の子の両親は違った。