【B】姫と王子の秘密な関係



僅かな文章でも送信するには勇気が必要で
送信をした後も、
彼女からの連絡が来るのかドキドキが止まらなかった。



後、20分。
その間にシャワーに入って落ち着かせよう。


手早くシャワーを浴びて髪を乾かした頃には、
時間は21時を少し回る。


時計をチラチラと見るたびに、
自分の思いとは裏腹に、更に落ち着かなくなる自分自身に
半ば呆れながらも、冷蔵庫から冷えたお酒を取り出して
グラスに注ぐと、ゆっくりと飲みながらPC画面を覗き込んだ。


《キンコン》っとPCからメッセージ音が聞こえて、
SNSに返信が届いたことを告げる。





アキラさん


こんばんは。
今までバイトで遅くなりました。

ってか、アキラさんから
連絡いただけてびっくりしてます。

今から夕飯食べるので、
21時半くらいに電話しますね。



乙羽









乙羽ちゃんの綴った、バイトと言う文字が
俺の中で、音羽=乙羽説を大きくさせていた。





約束通り、21時半彼女からの着信を告げる。




「もしもし」

「こんばんは。
 アキラさん、乙羽です」

「あっ、電話掛けなおすから一度切るよ」



そう言って電話を切ると、
再度リダイヤルから、乙羽ちゃんの携帯を呼び出す。



「もしもし、乙羽です」


再び、彼女の声が俺の聴覚をくすぐる。







その日、俺たちは30分ほど電話でお互いを話し合い、
日曜日のコスイベの打ち合わせ。


そしてイベント後に、再び、お茶をしようと約束した。
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