Stray Love Ⅰ 〜ソラノイロ〜
自分で壊す
「…咲陽?


なにやってんだよ!!」


思わず身体がビクッってなった。



でもその声は、安心する声…

ハルの声だった。



アタシの異様な状態に、慌てて駆け寄る
ハル。



アタシは、何があったのかバレたくなくてスーツのジャケットの胸元をキュッと
閉じて、うつむいた。



だけどハルには、何があったか解ったみたいだ。



ー最近、皇一家ってのがヤバイらしいー


たくさんのタイヤの跡…

開いたプレハブの扉…

そして、アタシの状態。




いつからなのか、
震えてるアタシの身体を…

ハルはぎゅっと抱きしめた。



「ごめん、咲陽…

守れなくて、ごめん!


ごめん…


ごめん…」


そう言いながら…
ぎゅっと、ぎゅっと…

ハルがアタシを抱きしめる。




張り詰めてたものが弾けたように、
涙が溢れてきて…

アタシも、ハルにしがみついて泣きじゃくった。


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