スタートライン~私と先生と彼~【完結】
◆第一章◆ ~先生~

出会い

「新しく本校に来られた先生を紹介します」


頭の禿げあがった教頭は、妙に高い声で始業式の進行をしていた。



俺は今、4年前に卒業した我が母校の体育館の舞台に立っている。



そして体育館にいる1000人近くの生徒がこちらを向いている。



舞台の上から見ていると、学年が記されていなくてもよくわかる。



パリッとした制服をきちんと着ている初々しい1年生。


1年生の様子をキョロキョロ見ている2年生。 


制服を自分なりに着こなして、余裕たっぷりの3年生。





自分が高校生の時のことが、かなり昔のことのように懐かしく感じる。



今年の春この高校に赴任して来たのは、俺を含めて5人。



新卒は俺だけだ。




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