スタートライン~私と先生と彼~【完結】
しばらく数学の授業中はドキドキしっぱなしで、内容なんて覚えていなく、ひたすら目の前の問題を解いていた。
ドキドキの授業が終わり、奈緒が声をかけてきた。
「今ね、隣のクラスの奥村くんが来てね、放課後、屋上に来てほしいって」
私にそっと言う奈緒は、なぜか嬉しそうだったことに、私は気付いていなかった。
「何それ?奈緒、告白とかされるんじゃない?でも、梶原くんいるしね〜」
「沙知、何言ってるん?」
眉をひそめ言う奈緒に対して、私はさらに聞き返した。
「何って?」
「奥村くんは、沙知に用があるんやで」
ため息混じりの声で奈緒は私に言い放った。
「はぁ??」
「じゃあ、私、選択授業行くから」
私の反応も見ずに、奈緒は無情にも立ち去ってしまった。
・・・奥村くんが何の用?
・・・・・・告白って奈緒も言ってたし。
嫌だな・・・あの人ちょっと強引やからなぁ。
何て断ろう・・・。
6限目の授業中も、授業の内容もそこそこに、断る口実を探していた。
「じゃあ、沙知頑張ってね!」
授業が終わると、奈緒はさっさと帰ってしまった。
『頑張ってね』じゃないし!