スタートライン~私と先生と彼~【完結】


20:50


考えるより先に体が動いていた。

息を切らして駅まで走り、電車に乗る。


新幹線の最終まで30分。


ギリギリ間に合うか??


俺は今まで生きて来た中で、これほど必死に走ったことがないくらい、無我夢中で走った。

電車の中でも、いてもたってもいることができずに時計ばかり気にしていた。



電車を降りて、再び必死に走ったが・・・間に合わなかった。


「くそっ!!もうあかんのか?!」


周りを気にすることなく、大きな声で叫び、俺は頭を抱えた。

目を閉じて、体中に力を入れ、必死に頭を回転させた。


いや、まだ手段はある!

諦められるか!




あっ、夜行バスだ・・・。


思いつくと、俺は再びバス乗り場まで走った。


向かってくる人の波を避けて、走った。



まだ春休みでそのうえ、週末だから、混雑していたが乗れそうだ。


21:40発


着くのは6:40、そこから電車に乗り換えて30分。


沙知の家に着くのは7時過ぎ。


会ってくれるだろうか・・・。


俺は再び沙知の恋のスタートラインに立つことができるのだろうか?







< 336 / 353 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop