マリッジブルーをもっと青く!
「千夏、なにボケーってしてんのよ」
奈々が呆れたように言う。

「ボケーってなんてしてない!色々考えてる顔なの!」
私は思わずふくれて言ってみる。

「ごめんごめん、でも色々考えるときは口を閉じたほうがいいよ。千夏半開きだったから。そりゃあ色々考えるよね。」
奈々は少しすまなそうな表情をして続けて聞く。

「それで何考えてたの?」


言えない。奈々にみとれてたなんて!優雅な振る舞いに心奪われてたなんて!口が裂けても言えない。絶対に言えない。

「奈々にみとれてたの!」
あ、言っちゃった。
私、千夏、正直者!嘘は言えないのもチャーミングポイント。



「何また訳のわからないこと言ってるの。それにさっきはスルーしたけどフルっちゃんてなに?」
表情から読み取ると怒っているようだ。奈々は強い目力で私を見てる。思わず目の中に吸い込まれそうになる。


奈々はこんな私を本気で心配してくれてるんだ。

謝らなきゃ!

「奈々の目の中に吸い込まれそう!」
間違えた!こっちじゃない!バカ正直なのも困ったもんだ!

バカ正直なちなっちゃん、略してバカっちゃん・・・。

これはダメだ、絶対に!




「まぁ言いわ。とにかくこれからどうするか考えなきゃね。」
奈々は敢えて私がおどけてると思ったようだ。



ありがとう、奈々!いつも感謝してる。

口に出しては言えないけど心のなかで強く思った。


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