♀ my prince ♂



―朝。




「んん~………ぇ。玲央くん…?」


目が覚めると…玲央くんが背中を向けて着替えている姿が目に飛び込んできた。



「ん…?おはよ、未亜ちゃん」


玲央くんはそう言って私に振り返る。



「うん、おはよう…」




あれ…?何で玲央くん、いるんだっけ…?




「どうしたの?」



「えっ…ううん…」


ずっと見つめる私に玲央くんは不思議そうな顔。



「ふ~ん…ねぇ未亜ちゃん…」



「え…」


起き上がった私に玲央くんが迫ってくる。



『可愛かったよ…?』



「っ…!」


そして…耳元でそう囁いた。




ええええ…なっ…なに…!?




「あれ…?もしかして覚えてないの?」


私の顔を覗き込んでそう言う。



「覚え…」




っ…!!!!!



お…思い出した…。私、昨日…玲央くんと…。




「その顔は…思い出した感じだね?」



「//…うん…」


顔に熱が集まりつつ小さく頷く。
すると…玲央くんが私を抱き締めた。



「ありがとう…俺に初めて、全部くれて」



「っ…」




玲央くん…。




「ううん…。私こそ…ありがとう…」




私だって嬉しい…。玲央くんに“初めて”をあげられたこと…。




「……?」


そして、ふいに玲央くんと目が合う。




何だろう…?




「目つぶって?」



「……」


私はそれに従った。




ドキドキドキドキ…




「っ…」


ゆっくりと…玲央くんの唇が私のそれを塞いでいく。



「……好きだよ?大好き…。これからもずっと…傍にいてね?」



「うん…っ」


玲央くんの言葉に私は大きく頷いた。




私も同じ…。



玲央くんの隣に…ずっといられますように…―。





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