♀ my prince ♂
「俺と……ペア組まない?」
「えっ?私…!?」
私は自分を指差しながら驚いた。
玲央くんが言ってた子って…私、だったの…?
「ダメ…?」
そう言って見つめてくる玲央くんの目は初めて会った時に見た、
『ダメかなぁ…?』
そう言われた時の目と…全く同じだったんだ――。
「えっ、と……いいよ…?」
「ほんとに?」
「うん。それに私…組む人いなかったし…」
「そっか。ありがとう、未亜ちゃん」
そう言うと玲央くんは笑った。
「っ…」
やっぱり私…この顔は好きだなぁ…。ずっと眺めていられる気がする…。
「……っ」
その時…玲央くんが私とペアを組むことが分かったファンの女の子たちが
玲央くんにバレないよう私をキッと睨んできて…自分たちの席に戻って行った。
その直後、それを見ていたらしい夏凛ちゃんが振り返った。
『未亜ちゃん大丈夫?あの子たちを敵に回しちゃったかもよ?』
手を添え小声でそう言う夏凛ちゃん。
『えっ!?それは困る…けど…でも玲央くんがいるよ?』
私も小声で答えた。
『まぁ里原くんて争いごと嫌いだから…とりあえずは大丈夫かな。』
『そうなの?』
『うん。まぁでも…気をつけてね?』
『分かった…』
―そのあと。
クラス全員のペアも無事に決まり、ちょっとした説明があった。
日時は明後日の5限目。詳しい内容は当日発表なんだけど…
中学からの子たちが多いため、ほとんどの子は知っているようだった。
それに夏凛ちゃんに聞いてみたって『当日のお楽しみ~』
とか言って全然内容を教えてくれないし…。
どんなことするのかなぁ~~?
この時はただただ…そう思っていた――。