♀ my prince ♂
―そのあと。
二人に手を引かれ…玲央くんの待つ部屋の前へ。
「っ…」
何だか…すっごく緊張する…。
「それじゃあ…未亜ちゃんと夏凛ちゃんはドアの後ろに隠れててね?」
「OK~!」
歩実ちゃんの言葉に答える夏凛ちゃん。
……??
「何で…?」
二人が分かり合っている意味が分からなくてそう聞いてみる。
「いいから、いいからっ」
だけど教えてはもらえず夏凛ちゃんに背中を押されてドアの後ろに隠れた。
えぇ~……何でなんだろう…??
分かんない、けど…更に緊張してきた…。
ピンポーンッ
歩実ちゃんがインターホンを鳴らすと。
ガチャ…ッ
「歩実…?どうしたの?」
部屋から出てきた玲央くんの声が聞こえた。
「今日はー…姫をお届けに参りましたっ!」
「ひめ…?何それ…?」
「っ…!!」
不思議そうに言う玲央くんの言葉と同時に…
夏凛ちゃんに背中を押されて彼の前に立つ。
ドキドキドキドキ…ッ
あぁ~……もう、やばい……っ!!
顔なんてまともに見られない…!!
それに…反応だってすごく気になるし…。
ずっと見られてるのだって恥ずかしいよ…っ
「え…!?みっ…未亜ちゃん…っ!?」
どうしたらいいのか分からなくなって俯くと、
玲央くんのすっごく驚いた声が耳に入ってきた。