♀ my prince ♂




「……未亜ちゃん」


玲央くんに名前を呼ばれて、



「えっ……!?」


私は閉じていた目を見開き両手の力が消え自然と下へさがる。




私…?私、なの…?




「俺…一目惚れだったんだ、未亜ちゃんに。一目見た時から…恋に落ちてた。
 でも未亜ちゃんには…好きな人がいるんだよね?亮…?それとも違う人?」


そう言う玲央くんの表情は…少し悲しげだった――。




ううん、違う…違うよ、玲央くん…。
私が好きなのは…好きなのは…っっ




「ううん…違う……違うよ、玲央くん…」



「え…?」



「私が好きなのは……玲央くん、なの…」



そう真っすぐ目を見て…目の前の彼に告げた――。




「え…!?俺なの…?」


玲央くんは自分を指差して少し驚いているよう。



「うん……私、玲央くんが好き…。

 でも最初は…“軽い人なのかな?”とか思っちゃったけど……全然違った。
 だって玲央くん…優しくって頼もしくって、それに…」


そこまで言って一旦、目を伏せる。



「それに…?」



「玲央くんが笑った顔…すっっごく好きなの。」


私は笑って玲央くんを見上げる。



「えぇ~…どこがいいの?」


そんなことを言われた玲央くんは少し照れ笑いをしているように感じた。



「だって…可愛い顔で笑うんだもん。」



「そう~?」


玲央くんはまた可愛い顔で笑いながら言う。



「そうだよ。今だってそうだもん」



「でもそれ言ったら…未亜ちゃんだって可愛いよ?」



「えっ…そんなこと…ない、よ…//」


好きな人に初めて“可愛い”なんて言われて…私は照れながら答えた。





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