いつか見つけてね2
手術の間は待合室というのが家族に用意されていて、私と史君、遅れてタミーが仕事が終わってから駆けつけてくれた。


待っている時間がこんなにも長いものなのかと不安になってきた時、


ドアを開けたお父さんの安堵した顔を見た。


「やっと終わったよ。

母さんは大丈夫だ。


今は眠っているから起こすなよ。」


起きた時にお父さんが一番に会いたいからって私たちに予防線を張って、

疲れた顔をしたお父さんがそう言って部屋を後にした。


靖枝さんのこと聞かなかったっと思って


「靖枝さんはどうしたんだろうね。」

というと


「今から手術本番だろう?


まずは母さんの臓器摘出だよ。」


あっ、同時に進行するわけじゃないんだ。


私達を心配させないように顔を出してくれたお父さんの優しさが嬉しかった。



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