いつか見つけてね2
そこには経済紙やベストセラーの表紙を飾っているのと同じ顔をしたアンディ、スティーブナー氏がいた。
「ああ。そうだよ。
なんだよそんな急に後ろからやってきて。
覗きの趣味でもあるのかよ。」
なんてあっけらかんと話す岳斗君に驚いてぱっと立ち上がると
「本当にお前は口の減らないガキだな。はははっ。
久しぶりにお前の笑ってる顔を見たよ。
生意気な奴だ。
あいつと全く俺に対する態度が一緒だ。」
その後ブツブツ何か文句を言ったあと私の方を見て
「初めましてお嬢さん、緊張しないでおかけなさい。」
私は座る前に
「初めまして、桜和美穂といいます。」
そう言うとお辞儀してから座った。
となりにはすでに岳斗君が座ったままで。
「で、岳斗、話ってなんだ?」
すると
「エッセイのテーマをアンタにするの。
だからいろいろ教えてくれよ。」
「お前、それがお願いしてる人の口の聞き方か?」
私はまたサーっと二人の問等に血の気が引いていく。
どうしてここまで岳斗君は偉そうなんだろう。。。
「この前の経済書書き直してやったの忘れたのか?
自分でやれってんだよ。俺が学生だから暇だろとか言って。」
「それはお前が暇そうにしていたからわざわざやらせてやったんだ。
感謝されなきゃ割が合わないな、ハハハッ。」
私はそんな問答に少しアタフタしてしまったが二人の漫才のようなやり取りに思わずぷっと吹き出してしまった。
そんな私を見る二人が
「やっと笑ったな。」