いつか見つけてね2
「美穂、連絡ありがとう。

急でびっくりしたけど、間に合ってよかった。

コイツラ俺の大学の仲間。」

私連絡してないけど、と真由を見ると私の携帯を指差した。

あ~、なるほど。


みんな急に盛り上がりをみせた。

お酒がオーダーされて、剛君が担当なのか何度も足を運んでくれる。

私も少しみさえと真由に誘われて飲んだ。

飲んでも少しも気分が晴れないな。

せっかく仲良しで飲んでいるのに。



岳斗君は、剛君が話しかけるたびに顔を上げてる感じ。

話し上手な秀樹とその友達が場を盛り上げてみさえと友達はすごく楽しそう。
約束だったからね。

「エミ、ちょっと外の空気吸ってくる。」


と言って岳斗君が出ていってしまった。


すると

「なんなんだ、あいつ?

本読んでるとかありえない。」

そう言いながら秀樹が私の隣にやってきた。

「合コン初めてだからかな。

それに秀樹たちと友達でもないし。




人見知りしてるんだよ、きっと。」

そう言うと私の方を見て

「なんか落ち込んでない?

今日元気ないみたいだけど。

もしかして、あいつが原因?」


顎で岳斗君の出ていった方をさした。




「違うよ。

ちょっとね。」


彼氏が他の女性と歩いているところ見たなんて言えない。


「昔もそんな感じだった。

少し近寄るなオーラが出てて、

周りの奴ら美穂と話したいけど話せないみたいな。」


そうだったんだ、高校時代はあまりの生活の変化についていくので精一杯だった。

そんなふうに見られていたんだ。

「それから、俺ちゃんと美穂にあやまろうと思って。

あの頃は俺もなに血迷ったことしてたんだろうな。

美穂は何にも悪くないのに。

頭の中にはやることばっかりしかなくて、

傷つけたよな。

本当にごめん。」

そう言うと秀樹が頭を下げた。

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