メトロノーム
「……っ」
部屋に入るなり、ベッドの上で抱きしめられた。
僅かな温もり。もっと欲しくなって、私からも腕を回す。
この瞬間はいつも、涙腺を揺さぶる。
「敦宏」
なんでこんなに孤独なの。
あなたがいるのに、なぜ。
私がいるのに、なぜ。
どれだけ抱きしめる強さを高めても、なお。
浮遊する孤独感は拭えない。
ふたりでいるのに、ひとりぼっちが、ふたり。
今日だって、目が合わないの。
利用していいからさ、好きじゃなくたっていいからさ、私を見てよ。
ふたり、だと認めてよ。