【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
気がつくと、時計の針は0時を指していた。
頭上には、無数の星が瞬いている。
昔のことを考えていると、いつもぼーっとしてしまう。
亜瑚は……まだ起きているだろうか。
気まずい気持ちはあるものの、夜に亜瑚をひとりにするのも躊躇われて、俺は家に帰ることにした。
家に帰ると、リビングの明かりが点いていた。
意を決してリビングに入ると、亜瑚がフローリングの床の上で横になっていた。
しゃがみ込んで、そろりと覗き込むと、亜瑚は眠っている。
そしてその頬には、たくさんの涙が流れた跡。
泣いた、のか……? なんで……。
俺はまだ湿っていた亜瑚の涙を、そっと拭う。
いずれにせよ、泣かせたのは俺なんだろう。
「ごめんな……。泣かせて」