【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「……っ」
すべてに目を通した途端、手紙が手を離れて床に落ちていた。
全部がわかった。
勝手に勘違いして、亜瑚に捨てられた気になっていたけど、全部俺のためだった……。
「亜瑚……っ」
いてもたってもいられなくて、俺はミサンガを握りしめ、家を飛び出していた。
走りながら、頭の中で亜瑚の言葉が蘇る。
『今日まで生きてくれてありがとう、これからも元気に毎日過ごしてねって。
私はそう思ったから、湊のお誕生日をお祝いしたんだよ』
『でもね、私、毎日楽しいんだ。
湊と他愛のない話して、同じ時間を共有して、すごく、毎日……幸せ……なんだ……よ……』
『これからは湊が嫌な夢見ても、私が起こしてあげるから!』
いっつもばかみたいに笑って、無駄に純粋で、とにかくまっすぐな亜瑚。
いつも俺の心に入ってきて、俺の心を照らしてくれた。