【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「ちゅ、ちゅー?」
予想外の言葉に、思わず頬がぽっと火照る。
ちゅーって、私から……っ?
「無理無理! 恥ずかしい! 私からなんてできない!」
ぶんぶんと顔の前で手を振って、必死に拒否をする。
すると、湊が拗ねたような表情を浮かべた。
「しょうがないな。今度はあんたからだからな」
そして、湊は体をかがめたかと思うと、私の唇にキスを落とした。
触れるだけの、甘くて優しいキス。
そして大切にしてくれているのがわかるキス。
あぁ、湊に溺れそう……。
唇を離すと、息をつかせる間もなく湊は私を抱きしめた。
「あー、学校行きたくなくなる」
いつもの余裕げな声じゃない、拗ねたような声。
そんなふうに思ってくれるなんてと、キュンと胸が高鳴る。