【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
愛おしさが募って、私は精いっぱい手を伸ばし、湊の頭を撫でた。
すると安心したのか、湊の私を抱きしめる力が弱くなる。
「でも、 私すぐそばにいるよ?」
「寂しいもんは寂しい」
「湊、今日は素直だね」
「今日だけじゃない。もう自分の気持ちに嘘はつかないって決めたから」
「湊……」
「っていうか、亜瑚に頭撫でられるの、なんか照れる」
「私の愛を伝えてるんだよ」
「なにそれ」
くすりと笑った湊が、ゆっくりと体を離した。
「十分愛伝えてもらったし、そろそろ行くか」
「うん、気をつけてね!」
「あんたも」
コツンと軽く私のおでこを叩くと、ふっと涼やかな笑みを残して湊が家を出ていった。
そして、ひとり玄関に立ち尽くす私は、熱い頬を両手で抑えた。
鼓動はまだ騒がしいままだ。
はぁー……。本当に私の心臓もたないかも……。
再スタートした湊との新婚生活は、刺激的なものになりそうな予感がした。