【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
そして自分史上最速のスピードで、リビングのソファーで寝てる湊に駆け寄る。
「ちょっと湊!」
肩を揺すると、湊が眠たそうにゆっくりと目を開けた。
「……あ? 耳元でうるさい……」
「うるさいじゃないよ! なんで寝てるの!」
「片付けしてたら眠くなって、寝転がったらそのまま……」
「もー! 玲奈もう来てるから、外に出られないし……。
とりあえず湊は、ドア締めてここに隠れててよね!」
リビングは荷物が片付いてなくて入れないことにして、私は家のドアを開けた。
玲奈に焦りがバレないように、自然な感じを演出する。
「待たせてごめんね!」
「ううん、全然大丈夫よ。一人暮らしは大変だものね」
玲奈が、穏やかに優しく笑った。
その笑顔を見て、胸がチクっと痛む。
玲奈に迷惑を掛けたくないとはいえ、大切な親友に重大なことを隠してるんだよね、私……。