ここでキスして。
ここで限界。




「美弥!帰ろ」

「はーい!」


放課後、教室の入口で声をかける伊織ちゃんに返事をして、机の上にある数学の課題を急いで鞄に押し込む。


パタパタと駆け寄ると、笑顔で「行こっか」と言う伊織ちゃんは今日もとびきり可愛い。








「あーもう暑いねー…」

「外出ると余計に思うよねー」



外靴に履き替えてグラウンドの横を歩いていると、西日が照りつけて地味に暑い。


今は6月。


ついこの前まで、もう暗いねーなんて言ってたのに、まだ太陽はひょっこり顔を出していた。



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