レヴィオルストーリー

しばらくしてギルクが固まったアレンに恐る恐る話しかけた。

「アレン?」

もう一度話しかけると、ギルクの方に振り向いた。


「…………アレン」

目がおかしい。

光がなく、いつものアレンの綺麗な瞳じゃない。




「あやつられ…」

イルが言いかけたとき、ビーンがアレンの前に出た。



「アレン=ブロドニス」

一瞬言葉を止めて。






「あの三人を殺しなさい」






ビーンはアレンに命令した。



アレンはこくりと頷くと、信じられない速さで剣を鞘から抜く。


そしてその剣をギルクに向けた。



「…まじかよ」

立ち上がったギルクはアレンを真っ直ぐに見た。




正気ではない碧の瞳。




「…殺す」



そう呟いた途端、アレンは地面を蹴って跳躍した。

振り落とされた剣をギルクは慌てて避ける。

剣が台座を掠めた。



「…………嘘だろ……」



硬い石の真っ白な台座は剣が掠めた部分だけすっぱりと斬られていた。


「…本気ってことか」


アレンの本気。

まだ見たことがない。




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