レヴィオルストーリー

「じゃあさぁ、あの魔力の力は何?精霊士のでも魔法使いのでもなかったじゃない?」

イルが変な笑顔を浮かべながら聞くと、アレンは一瞬ひいた。


「…知らない」


「まったまたぁ~」


アレンの背中をばしばし叩いて、イルは笑い声をあげた。



「あ、イル、それは本当みたいなの。クロムに聞かれたときも、アレンは知らないって言ってたわ。」

咳き込んだアレンを見かねて、レイが助け船を出す。




「…イル、お前…怪力…」

「え?」



イルの笑顔とギルクの恐れの表情を見たアレンは黙っておくことにした。



「でも、知らないのならどうして使い方がわかったの?ずっと封印してたんでしょう?」


今度はレイが、無意識に首を少し傾けて上目遣いで聞く。

ギルクは一瞬、怯んだ。



だがそんなのに引っ掛からないアレンは淡々と話した。




「母さんがいつも使ってたから。」


そう、母さん、ナティア=ブロドニスが。


アレンはちらと自分の剣を見た。



「ナティアさんて、魔法使いだったの?」

イルが超無神経にズバッと聞いて、レイとギルクは少し焦る。



「そ。やり方、覚えてた」


二人の心配はいらなかったようだ。

アレンは普通に短く答えた。



「すげぇな~、俺だったら覚えてないや」


ギルクがケラケラ笑って言う。



「だろうな」

「でしょうね」

「そりゃそうよ」





三人の意見を聞いたギルクは若干自信をなくしたのでした。




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