レヴィオルストーリー
「何か、休憩したいんだってさ。草原で寝転んでみたいって…。どうする?」

イルの手を払いのけながらレイと話す。

「そうね…してもいいとは思うけど、もう水が残り少ないわ。」

レイは冷静に判断した上で意見した。


「よし、イル」

アレンはぽんとイルの肩に手をのせた。


「諦めろ」


ガクッ!!


「えぇ~!?ここは心優しく許可するべきでしょぉ~!!」

「水ないって言うしさ…我慢しろって、どんまいどんまい」



「何か前にもこんなのがあった気がするのは私だけかしら」

レイは隣のギルクに聞いてみた。

「へ?いや、俺もそう思うかなー。あの水魔んときだろぉ」

思い出すような仕草をしたギルクははたと動きを止めた。

すぐに空に目を向ける。


「ギルク?」

「ん、どした」

「はれぇ、どしたのぉ?」


みんなで一斉に空を見上げた。すると…………。



「…うっそん、雨?」



間抜けなイルの声を合図にしたかのように、雨がいきなりたくさん降り始める。

「最悪だ…雨具なんて持ってきてねぇよな?」

超だるそうに言ったアレンに、三人はコクコクと頷く。

「雨宿りする場所…なんてないわよね。」


見渡す限り、草、草、草。

どこにも建物などない。


「テント張るかぁ?」

ギルクはそう言って荷物をあさりはじめた。

「まぁそれしかねーよな…」

これまためんどくさそうにアレンも手伝う。

「あたしたちも~☆」

唯一楽しんでいるイルはピンクのテントを取り出して、魔法ですぐに組み立ててしまった。

女子二人はさっさと中に入る。


「っえ!?せこっ!!お~い、イルちゃあん!こっちもやって~」

ギルクの声は聞こえなかったことにされたとか。



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