レヴィオルストーリー


「悪いな、バレちまった」

「いや、仕方ない。お前らはもう逃げろ」


アレンがそう声をかけると、コニスはシリティーを抱き上げて魔法を発動した。



「ロリンには敵わないからな。いても足手まといになるだけさ」

「…そうですね」

納得がいかない様子のシリティーをなだめ、移動魔法の呪文を唱える。


「逃がさないわよぉ」

蔓は今度は二人に伸びた。

太い一本のそれをしならせ、猛スピードで標的を貫こうとする。

だが、それはレイとイルの結界によって防がれた。



「ありがとな!」


シリティーとコニスがその姿を消す瞬間、ギルクが叫んで手を振った。


「また会いましょうね」


優しい少女の声と共に、空間の歪みは消滅した。







「あ~あ、逃がしちゃったぁ」

「…そんなに残念そうでもなさそうねぇ」

嘆きながらも笑うロリンに、イルは不思議そうに首を捻る。


「まぁ新しい占星術師が居場所掴んでくれるし?余裕のよっちゃんよぉ。」

「よっちゃん??誰だそれ」


とりあえずアレンは無視された。



「あたしの狙いは剣士だけ。貴方達だけなら見逃そうかぁ?」

ふふ~んと上機嫌に鼻歌を歌いながら、ロリンは指でくるくると黒い髪をもてあそぶ。




「冗談じゃない」


三人は声を揃えて反論する。



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