レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

アレンは魔王と攻防戦を繰り広げていた。


火傷や切り傷などの怪我がところどころにあるアレンに比べ、魔王は切り傷一筋を負っただけだ。



(さっき、何かが結界を破った)


一筋だけ入れることのできた太刀筋。


そのときアレンは、特に剣に魔力をこめてはいなかった。

だがそれで、破ったのだ。



(白魔法、知らない内に使ったかな。でも白い光はなかったし…。)



考えている間にも、魔王は次々と黒魔法を発動させる。


それを避けたり結界で防ぐ。

それでもいくらかはアレンの体に傷を残していた。



(あ~もう…。うぜぇ。めんどくさい…。)


その時、魔王が少し違う動きを見せた。



〈死ね〉

「!!」



慌ててサッと回避する。



───ドォン!



魔王が放ったそれは、床に激突してぽっかりと穴を作った。


「あ、危な…。黒魔術…。」

穴の下を若干見下ろして、アレンは呟いた。



「あ…!!」

「ん?」

アレンの視線が広い空間の一点で止まった。



三人が、自分を見上げている。



〈…仲間の三人か。ロリンを破るとは。〉


「…イル!」



ハッと思い付いたアレンは下にいる一人の少女の名を呼んだ。




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