たゆたえども沈まず
マーク問題は易しくない。

試験の時期。

放送室内が狭く感じるのは、部長が寝起きしているのに加えて蘭子もここで生活を始めるから。

家では集中出来ないらしく、自習室を使うわけでもなく放送室に籠もる。朝も夕方もギリギリまで学校に残っているらしい。

部長はいつも通り眠っていて、蘭子に何か言うことはない。

「生活臭が漂ってるんだけど…」

プリンス先輩の言葉に同意する。しかも女のだから、プリンス先輩が少し可哀想にも思えてくる。

放送室の小さい窓を開けて換気。そこから見える庭を見て、服装頭髪検査を思い出した。

試験終わりの集会で確かあるはずだ。だから、多分放送部も試験が終わったらバタバタする。



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