小児病棟
その日の夕方。子供たちが浜辺に着くと、すでに先生方がブルーシートを広げスイカ割りの準備をしている最中だった。

「あれ? 肝心のスイカは?」
 
悟が、スイカがないことに気付いた。

「おおーい! 遅くなってすまん」
 
後ろから声がした。振り向くと、峯岸先生が両手にスイカを持って重たそうにやってきた。

「民宿のおばちゃんがさあ、スイカ割りやるっつったら、一個じゃ足りないでしょ? って言って、もう一個くれたんだよ。あー重たかった……」
 
峯岸先生は、スイカをブルーシートにゴロンと転がし、しびれた両腕を振って筋肉をほぐした。
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