小児病棟
「よーし! では、これから遠泳を行なう」
 
浜辺に集合したフンドシ姿の子供たちを前に、峯岸先生が言った。

「いいか! あそこにブイが並んでいるのが見えるだろ? あそこを回ってくるからな」
 
沖合いには白いブイが一定の間隔で浮いている。

「先生、どのくらいの距離泳ぐの?」
 
六年生の英吾が聞いた。

「ざっと、五百メートルはあるだろうなあ」

「五百~?」
 
みな一様に驚いた。

「え、じゃあさあ先生……」
 
今度は正哉が先生にたずねた。

「ん? なんだ? 加藤」

「あのブイのあたり、どこくらい深いの?」

「そうだなあ…・・・」
 
峯岸先生はあたりを見渡すと、近くにあった海の家の横に立っている電信柱を指差して言った。
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