小児病棟
「泉水さーん」

二人は、食堂の調理場の暖簾をくぐった。中には、賄いの泉水さんが洗い物をしている最中だった。

「どうした? 加藤くん」

「泉水さん、お茶かなんかない?」

「お茶? 麦茶ならあるよ?」

「それ、ちょっともらってもいい?」

「いいよ? 待って」
 
泉水さんは、そう言うと紙コップを二つ取り、それに麦茶を入れ始めた。

「あ……泉水さん。あと二個欲しいんだけど……」

そんな泉水さんに、正哉は言った。裕二と慶一のぶん、である。

「あと二個? 四ついるの?」

「うん」

「わかった」
 
泉水さんは紙コップをもう二つ取り出し、麦茶を入れた。

「はい。こぼさないでね」

「サンキュー」
 
正哉と悟は両手に二つずつ紙コップを持ち、こぼさないように水平を保ちつつ、病室へと歩いていった。毛布の中に潜り込むと、すでに裕二と慶一は中にいた。
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