小児病棟
「じゃあ、つとむ。お母さん、ちょっと行ってくるから、ここで待っててね」

母親はそう言い残すと、看護婦さんを追うように一号室を去って行った。

ぽつんと残された男の子は、黙ってベッドに腰掛けた。その背中は、誰が見ても不安げでさみしそうだった。

正哉と裕二はお互い顔を見合わせると、ベッドから降り、その男の子のベッドに近づいていった。
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