めぐりあわせ





屋上には、少し人がいたけど、丁度端のベンチが空いていた。



真奈ちゃんとベンチに座り話を聞いた。



「何があったの?」



真奈ちゃんは、まだ泣きそうな顔をして、フゥーと溜息をついた。



「昨日…」



「うん。昨日?」



「中原さんと帰りが一緒になって、食事に行ったんです」



「そうなんだ」



「私、もう我慢できなくて、帰りに告白したんです」



「え?そうなんだ!すごいじゃん!」



「それが…」



「うん。それが?」



「中原さん、彼女はいないらしいんですけど、今、好きな人がいるって…」



「そうなんだ」



「あっけなく振られちゃいました…」



真奈ちゃんは、無理に笑顔を作っていた。



「でも、中原さんが幸せになってくれたら、私もうれしいので、次の恋に進みます!」



「すごいね。真奈ちゃん前向きに考えれるなんて」



「だって、グズグズするのってなんか嫌なんで…」



「感心するよ」



「なんで〜、誰かいい人いたら紹介してくださいね」



「あっ。うん。て…切り替えが早いよ!」



真奈ちゃんは、さっきの表情とは違った。



晴れ晴れした顔になっていた。



その顔に安心して、オフィスに戻った。






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