天然無自覚と俺様くんの同居
「そうじゃねぇよ…何でその事知ってるんだ?」
昌くんは真剣な顔で電話に向かって言葉を放つ。
「それ知ってどうすんの?…止めるの?無駄だよ?もちろん」
羽柴くんはそんな彼を突き放すかのような声で放つ。
「っ…お前だって知ってるだろ?信を責めたって仕方ないくらい!そんなことしても花菜さんは戻って来ない!」
「……知ったような口を叩くなよ…」
羽柴くんの声は少し震えていた。
「海……信を責めるな…」
「……俺はアイツの崩れる表情が見たいんだよ…その為だったら手段は選ばない……じゃそれだけだから…じゃあね由季ちゃん」
羽柴くんは用件を伝えると電話を切ってしまった。
私と昌くんはその場で黙り混む。
「なぁ…由季ちゃん」
昌くんは天井を見つめながら私に話しかける。
「海と信を救ってくれ…」
そう言う昌くんの表情は悲しそうだった。
「うん…もちろん」
私は素直に頷いた。