ラブレター2
「何、買おうかな~。」

「何でもいいんじゃね?」

学校が終わって、仲の良い友達と、小物売り場に来ていた。

「これにしようかな?」

僕が手に取ったのは、可愛らしいネックレス。

「おう、おう。それに決定。」

「それと…。」

「は?まだ、あるの?」

「これは彼女の分。次は、あいの分。」

彼女の誕生日が近いため、安物しか買えないけれど、プレゼントを探しにきていた。

「何で、あいさんなの?」

友達には、深い事まで言ってはいないが、大体の話しをしていたし、あいの事は、同じ学校だったので、当然ながら知っている。

「気分?」

呆れた顔をした友達が、これは?と手にしたのはシンプルなピアス。

「ん~。」

シンプルのピアスがセンスが良いと思えるが、

「これがいい。」

僕が手にしたのは、音符の形をした、ピアスだった。

「お前が、それでいいならいいんじゃない?」

優柔不断のくせに、一度決めたことは、頑固だ。と分かってる僕は、商品を握り締め、直ぐ様、レジで会計を済ませた。

「お前、大変くない?」

「何で?」

場所を移し、ハンバーガーショップで会話を弾ませる。

「俺を好きになる人が、大変だと思うけど。」

笑いながら言って、目の前の奴に、はぁ?とか言われたけれど、本当のことだと思う。

僕は、片想いをしたことがない。

いや、あるのだけれど、それがトラウマになり、以来、自分から人を好きになったことがない。

絶対。が無いと、怖くて。

勿論、異性に対し、可愛い。とか、綺麗。と思う感情はあるのだけれど。

「お前になりてーよ。」

「俺は、お前になりてーよ。」

なんて意味の無い会話で盛り上がった。

家へ着くと、自分の部屋へ荷物を置いた。

一人でテレビを見ながら、見た目からして不味そうな料理を口へ方張る。

言わなくても分かるように、自分で作った夕飯。

アルバイトが無い日は、決まって一人の時間が多い。

外を見ると、微かな光を残しつつも、ピンクからブルーへのグラデーションの色彩。

決まって一人の時間が重なってくると、アレが襲う。

『今から会おう。』

無意識に、送信された文字。

その直後、着信音が鳴り響く。

『今日は無理。ゴメンね。』

あいに送っていた手紙。

『ならいい。』

ほら、また。
< 39 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop