初恋。
「あ!!そやそや、言わんなんことあってん。」



レミは少し俯き、申し訳なさそうな表示を浮かべ、


「さっきは、優斗が悪いこと言うたりしてゴメンなあ‥。
変わりに謝っとこ思てな。」



「‥優斗??」


なんのことか、よく分からない私は首を傾げた。


「ほらっ、未空にぶつかって‥。」



「あたしにぶつかる‥あっ!!」


私はレミの言いたい事が理解出来た。

さっき私に"ドちび"という言葉を浴びせた男子の事だろう。



「あー‥あいつ優斗っていうのね。
でも、何でレミが‥??」


悪いのはあいつだ。
なのになぜ、レミが謝る必要があるのかー‥??


また疑問に思い、頭に?が広がる。



「あれなあ、うちの幼なじみやねん。
一応関わりもあるし‥やから‥。
ほんまゴメン!!
あんなんでも、優しいとこあんねんな。
許したってもらえん‥??」



顔の前で手のひらを合わせて、レミは私に頭を下げる。


「そっ、そんな。
もう気にしてないからイイよ、頭上げて!!」


と、レミのいきなりの行動に戸惑った私は、取りあえず明るくレミに言った。


「ありがとーなっ!!
もう、未空めっちゃええ子ーッッ!!!!」


レミはパアッと表情をかえ、すごい無邪気な笑顔を見せ、私の頭をぐちゃぐちゃと撫でた。



レミはお人好しというか世話好きというか‥。


優斗とやらの親みたいで、おかしな感じがして笑えてきた。



それからすぐ、学級担任が入ってきて、何事もなく1日の終わりを迎えた。
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